歯を失った方へ(補綴治療)
LOST TEETH

歯を失った方へ
歯を失った状態を放置すると、お口だけでなく全身にもさまざまな悪影響を及ぼします。そのため、ブリッジ、入れ歯などの治療を通じて、失った歯の機能を回復することが重要です。それぞれの治療法には費用、負担、治療回数などにメリット・デメリットがあるため、当院では患者様の症例やライフスタイルに応じて、複数の治療選択肢をご提案いたします。
歯を失った状態を放置したことにより生じるお口の中の問題
- 歯を失った部分を埋めようとして、周囲の歯が移動(前後の歯が倒れこんできたり、噛み合わせの相手の歯が伸びてきたり)します。その結果、それらの歯の前後に食べかすが挟まりやすくなったり、歯ブラシが当てにくくなったりします。歯を失った部位から離れたところでもむし歯や歯周病のリスクが上がります。
- 特に奥の大きな歯(大臼歯)を隣り合って2本以上失った場合に生じやすい問題として、残っている歯が噛み合わせの力を受け止めきれずに、グラグラになったり、割れたりする場合があります。その結果さらに抜歯が必要になる可能性が出てきます。
歯を失った場合の
治療法の比較
入れ歯 | ブリッジ | |
---|---|---|
治療方法 | 失った歯と周囲の歯肉や粘膜を人工的に作製して装着する | 失った歯の両隣の歯に上から人工歯を被せて間に橋渡しのように義歯を取り付ける |
審美性 | 種類や形態によっては金属のバネなどが気になる | 比較的自然な見た目だが、前後の歯には金属色が見える場合もある |
噛みやすさ | 安定しにくく、力が上手く伝わらない | 比較的安定しやすい |
健康な歯への負担 | 固定する歯に負担がかかる場合がある | 被せ物をする歯を削る必要がある |
治療期間 | 丁寧に作ると5回の来院が必要 | ブリッジの長さにもよるが、最短2回の来院で装着できる |
費用 | 保険適用/自費診療 | 保険適用/自費診療 ※入れ歯と比べて費用がかかりやすい |
入れ歯

良い入れ歯でしっかりと噛める環境を整えることは、食事を美味しく楽しめたり、他の歯を守ったりする効果があるため、当院では保険や自費に関係なく、一人ひとりの噛み合わせを考えて、お口にフィットした入れ歯を提供することを心がけています。
当院では、歯並びの問題等で噛み合わせの状態が難しい方の入れ歯の場合、入れ歯の歯を並べる操作を歯科医師自らが行い、その方の噛み方により適した入れ歯を作製するように努めております。
当院で取り扱っている
入れ歯の種類
レジン床義歯(保険)

歯肉に触れる部分がプラスチックで作られた保険診療の入れ歯です。ある程度の厚みが必要なため装着時の違和感や熱伝導の悪さがあります。一方で幅広い症例に対応していて、リーズナブルで壊れた際の修理も容易です。
Merit メリット
- 保険適用のため費用が抑えられる
Demerit デメリット
- 装着時に違和感を覚えることがある
- 食事の熱が伝わりにくい
ノンクラスプデンチャー
(自費)

バネ部分が金属ではなく、歯肉の色に近い歯科用の樹脂で作られた入れ歯で、バネが目立たず装着しても見た目が自然です。また、金属を一切使用しない構造にもできるため、金属アレルギーの患者様でも安心して使用できます。
- 治療期間・回数
- 2週間・3回~6週間・5回(失った歯の数が多い程期間がかかります)
- 費用
- 55,000円~120,000円
Merit メリット
- 金属の金具を使用しないので自然な見た目に近い。
- 金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がない。
- 薄く作製することで、使用時の違和感を減らす効果が期待できる。
Demerit デメリット
- 特殊な素材で作製するので、破損した際の修理が容易ではない。次の装置が出来上がるまでお時間をいただく場合がある。
ブリッジ

ブリッジは、歯を失った部位の両隣の歯を削り、そこを支えにして人工歯で補う治療法です。固定式のため、しっかりと噛むことができるのがメリットです。一方で、デメリットとしては、お掃除がやや難しいこと、両隣の健康な歯を削る必要があることなどが挙げられます。
当院で取り扱っている
ブリッジの種類
保険適用のブリッジ

保険適用のブリッジは、基本的に金属で作製した被せ物を装着します。
前歯など目につく範囲は表面に歯科用プラスチックを貼り付けることもありますが、セラミックなどの素材と比較すると審美面で劣ります。
保険適用であるため、価格が抑えられることがメリットです。
Merit メリット
- 保険適用のため費用が抑えられる。
Demerit デメリット
- 白い素材であっても自費診療と比較すると審美性に劣る。
- 金属アレルギーの方は使用できない。
ジルコニアブリッジ
(自費)

ジルコニアの素材で作製するブリッジで、色味を天然歯に近づけることができます。
また素材もしっかりしており、劣化も少なく、噛み合わせが強い方でも割れるリスクが少ないのも特徴の一つです。
- 治療期間・回数
- 2週間・2回
- 費用
- 120,000円(3歯分)~200,000円(5歯分)、ブロック削り出しのため最大で5歯
Merit メリット
- 金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がない。
- 耐摩耗性が高く、表面に傷がつきにくい。
Demerit デメリット
- 耐摩耗性が高いため、天然歯と噛み合う際に、天然歯が削れてしまうことがある。
- 強い衝撃で割れてしまう可能性がある。
メタルボンドブリッジ(自費)

メタルボンドブリッジは、金属製のブリッジの表面にセラミックを焼き付けたものです。内側に金属を使用しているため耐久性が高く、外側にセラミックを使用しているため、天然歯に近い色調を再現できるのが特徴です。
- 治療期間・回数
- 2週間・2回
- 費用
- 195,000円(3歯分)、以降1歯増えるごとに+65,000円
Merit メリット
- 内側が金属のため丈夫である。
- オールセラミックと比べると透明感や審美性は劣りますが、天然歯に近い色調を再現できる。
- 耐摩耗性が高く、表面が傷つきにくい。
Demerit デメリット
- 金属アレルギーの方はご使用いただけない。
- セラミックを部分的に焼き付けているため、一部で下の金属が見えることがある。
- 強い衝撃で表面のセラミックが割れてしまう可能性がある。